HubSpotで実践するABM戦略|顧客別アップセル施策の最適化ガイド

HubSpotで実践するABM戦略|顧客別アップセル施策の最適化ガイド

近年、BtoB企業の営業・マーケティング活動において「アカウントベースドマーケティング(ABM)」の重要性が高まっています。特に、大口取引先や戦略的に獲得したい企業に対して、個別最適化されたアプローチを行うことで、受注率の向上やLTV(顧客生涯価値)の最大化が期待できます。HubSpotは、CRM・MA・SFA機能を統合したオールインワンプラットフォームでありながら、ABM機能も充実しており、実務レベルでの運用にも適しています。

本記事では、HubSpotを活用したABM実践方法から、アカウントごとのアップセル施策を最適化する具体的手法、そして成果に結びつけるための体制構築までを、実践的な観点から詳しく解説します。

ABMとは?その基本と重要性

ABM(Account Based Marketing)とは、特定の企業(アカウント)をターゲットとして営業とマーケティングが一体となってアプローチを行う戦略的マーケティング手法です。リードベースで幅広く見込み客を集める従来の手法とは異なり、少数の重要アカウントに集中してリソースを投入するため、費用対効果の高い成果が見込まれます。

特に、複数の意思決定者が関与するBtoB取引では、ABMのようにアカウント全体を対象としたアプローチが合理的です。また、営業・マーケティング部門間の連携が深まることによって、リードナーチャリングや商談化のプロセスも一貫性を持って進行しやすくなります。ABMは単なる戦術ではなく、全社的な戦略として取り組むべき考え方といえるでしょう。

HubSpotのABM機能とは?

HubSpotでは、ABMに特化した機能が標準で提供されており、マーケティング・営業活動を一元的に管理しながら、ターゲットアカウントごとの戦略的なアプローチが可能になります。たとえば、「ターゲットアカウントプロパティ」を使えば、ABM対象企業を明確に区別して管理できますし、「アカウントダッシュボード」では各アカウントのステータスやエンゲージメントの進捗が可視化されます。

また、カスタムプロパティやスマートリスト、ワークフローとの連携により、パーソナライズされたキャンペーンの自動化も実現可能です。営業担当が追っているアカウントに対して、マーケティング部門が支援施策を自動展開できるため、部門間の連携も強化され、アップセル・クロスセルのチャンスを逃さない運用が可能となります。

HubSpotでのABM実装ステップ

HubSpotでABMを実装する際は、いきなりツールの設定に走るのではなく、まず社内体制や戦略設計を整えることが肝要です。第1ステップとしては、営業とマーケティングの合同チームを組成し、対象となるターゲットアカウントを明確化します。この際、過去の受注データやLTVの高い顧客傾向などを分析し、「理想の顧客像(ICP)」を定義することが重要です。

次に、アカウントごとの課題や関心に応じたコンテンツやキャンペーンを企画・展開していきます。HubSpotでは、アカウントに紐づいたメール配信や広告のセグメント設定、Webパーソナライズなども可能です。最終的には、ABMレポートで進捗状況を可視化し、継続的な改善につなげることで、持続的な成果創出が可能になります。

アカウントごとのアップセル施策の実施方法

アップセルの精度と成功率を高めるためには、顧客の利用状況・課題・関係性の成熟度を総合的に把握し、最適なタイミングで適切な提案を行う必要があります。HubSpotを活用すれば、取引履歴や商談情報、Web上の行動履歴などを一元的に管理できるため、アカウントごとの深いインサイトが得られます。

また、スコアリング機能を活用することで、アップセルの優先度が高いアカウントを抽出し、優先的にリソースを投下する判断も可能です。さらに、マーケティングからは利用状況に応じた教育コンテンツや活用事例を提供し、営業側では追加提案や定期的なヒアリングを実施することで、アップセルの機会を逃しません。ABM型アップセル施策の最大の価値は「確度の高い商談を戦略的に創出できること」にあります。

成功事例と今後の展望

実際にHubSpotを用いたABM戦略によって、アップセルを成功させた企業は多数存在します。たとえば、ソフトウェア業界のある企業では、ABM機能を通じて上位10社のターゲットアカウントに対して特別なナーチャリングコンテンツを提供し、半年以内に4社でアップセルが成立。成果の裏側には、営業とマーケが定例でデータを共有し、アプローチの内容を柔軟に修正していたという背景があります。

今後、ABMの世界ではさらにAIや自動化が進化し、より精緻なセグメンテーションやパーソナライズが実現されていくと予想されます。企業はただツールを導入するだけでなく、運用体制の整備や目標設計、そしてPDCAを回す文化づくりが重要です。ABMは戦術ではなく、事業成長を加速する“型”であることを意識すべきです。

HubOneだからこそ成功に近づける理由

HubSpotを活用したABM戦略の成果を最大化するには、ツール導入だけでなく「戦略」「運用設計」「部門連携」「改善サイクル」のすべてを一気通貫で構築する必要があります。ハブワンは、2010年代より国産・外資問わず、CRM・MA・SFA・CMSなど多岐にわたるSaaS導入と運用支援に携わり、数百社以上の支援実績を有しています。

HubSpotの導入支援においても、単なる初期設定やトレーニングにとどまらず、ABM戦略の策定、ターゲット選定、コンテンツ設計、レポーティング体制の構築まで伴走型で支援します。さらに、営業とマーケの橋渡しとして、社内の組織間連携を定着させる支援も強みです。ABMを単なる施策で終わらせず、「成果につなげる体制と文化」を築くこと。それを実現できるのが、HubOneです。

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小向雄大
執筆者:小向雄大
早稲田大学卒業後、新卒でITベンチャー企業に入社。社長直下の経営企画部門の立ち上げを担い、ゼネラリストとして業務に携わる。その後、大手不動産ベンチャー企業の経営企画、博報堂DY傘下エージェンシーで自社マーケティングおよびクライアントへのコンサルテーション業務に従事。ハブワンにRevOpsとしてジョイン。 HubSpot歴7年目。

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