カスタムプロパティとは?
HubSpotにおけるプロパティとは、コンタクト(顧客)、会社、取引、チケットなどのオブジェクトに関連付けられた情報フィールドを指します。標準プロパティとして提供される項目も多岐にわたりますが、ビジネスの特性や業界のニーズに応じて、独自の情報を管理したい場合があります。
その際に活用できるのが「カスタムプロパティ」です。これにより、例えば「契約更新日」「導入製品」「担当営業」など、自社特有のデータフィールドを追加し、より精緻なデータ管理が可能となります。
カスタムプロパティの作成方法
カスタムプロパティを作成する手順は以下の通りです。
- 設定画面へのアクセス
HubSpotのダッシュボード右上にある歯車アイコンをクリックし、設定画面を開きます。
- プロパティの選択
左側のメニューから「データ管理」内の「プロパティ」を選択します。
- 新規プロパティの作成
右上の「プロパティを作成」ボタンをクリックし、以下の情報を入力します:
- オブジェクトの選択
コンタクト、会社、取引、チケットなど、プロパティを適用するオブジェクトを選びます。
- ラベル
プロパティの名称を設定します。
- 内部名
システム内部で使用される識別子で、一度設定すると変更できません。
- 説明
プロパティの目的や使用方法を明記します。
- フィールドタイプ
テキスト、数値、日付、ドロップダウンセレクトなど、データの形式を選択します。
- プロパティの保存
必要な情報を入力後、「作成」ボタンをクリックしてプロパティを保存します。
この手順により、ビジネスニーズに合わせたカスタムプロパティを柔軟に追加できます。
カスタムプロパティを活用した営業データの詳細分析
カスタムプロパティを活用することで、営業データの分析精度が向上します。例えば、以下のような分析が可能となります。
- 契約更新日別の売上予測
「契約更新日」というカスタムプロパティを設定することで、更新時期が近い顧客を特定し、売上予測やリソース配分の最適化が行えます。
- 導入製品別のクロスセル機会の特定
「導入製品」というプロパティを用いることで、既存顧客の利用状況を把握し、関連製品の提案機会を見出すことができます。
- 担当営業別のパフォーマンス評価
「担当営業」プロパティを設定し、各営業担当者の成約率や売上貢献度を分析することで、チーム全体のパフォーマンス向上につなげることができます。
これらの分析により、データに基づいた戦略的な営業活動が可能となります。
カスタムレポートビルダーの活用
HubSpotのカスタムレポートビルダーを使用することで、カスタムプロパティを含む多様なデータソースを組み合わせたレポートを作成できます。これにより、以下のような高度な分析が実現可能です。
- データソースの選択
レポートに含めたいオブジェクトやアクティビティを選択します。
- フィールドの追加
必要なプロパティやイベントをレポートに追加します。
- フィルターの設定
特定の条件でデータを絞り込み、分析の精度を高めます。
- グラフの設定
データの視覚化方法を選択し、理解しやすい形で表示します。
- レポートの保存と共有
作成したレポートを保存し、チーム内で共有することで、情報の一元管理と迅速な意思決定を支援します。
これらの機能を活用することで、営業活動の現状把握や課題抽出がスムーズになり、戦略的な改善アクションへとつなげやすくなります。特にカスタムプロパティを活用したレポートは、単なる数字の羅列ではなく、“自社にとって意味のある指標”を反映できるため、現場の納得感と実効性の高い施策立案を支援します。
カスタムプロパティ活用のベストプラクティス
カスタムプロパティは強力なツールである一方で、場当たり的に追加すると管理が煩雑になったり、データの一貫性が失われる恐れがあります。そこで、活用を成功させるためのポイントをいくつかご紹介します。
- プロパティ設計のルールを設ける
業務部門ごとに自由に作成できるようにしてしまうと、類似したプロパティが乱立し、レポート作成時に混乱を招きます。カスタムプロパティ作成前には、使用目的や入力ルール、ネーミングガイドラインを明確にし、社内で共有しておきましょう。
- プロパティを定期的に棚卸しする
長年使っていると、使用されていないプロパティや重複しているフィールドが溜まっていきます。定期的な棚卸しと整理を行い、シンプルで管理しやすい構造を維持することが重要です。
- 業務フローとプロパティを連動させる
ただ作るのではなく、実際の営業・マーケティング活動と直結するデータであることが理想です。たとえば、受注の確度に関するプロパティを作成し、それに応じたワークフローやリマインドアクションを設定するといった使い方が効果的です。
これらの実践的なポイントを押さえることで、カスタムプロパティは営業現場で「使われる」仕組みになり、HubSpot全体の価値をさらに引き出せます。
HubOneだからこそ成功に近づけるカスタムプロパティ活用の設計と運用支援
HubSpotのカスタムプロパティは非常に自由度の高い機能である反面、「何を作るべきか」「どう使うべきか」「どう継続的に運用すべきか」という点でつまずく企業も少なくありません。ここで求められるのは、単なるHubSpotの機能理解ではなく、業務設計の視点とツール運用を両立させるノウハウです。
HubOneは、2010年代よりCRM・SFA・MA・CMSなどのSaaSプロダクトを国産・外資問わず多数取り扱い、数百社にわたる導入・活用支援を行ってきた実績があります。特にHubSpotにおいては、単なる初期設定の代行ではなく、「貴社のビジネス構造にフィットしたプロパティ設計」「営業・マーケ現場で活用されるための設定」「その後の運用改善とPDCAの伴走」に強みを持っています。
また、HubSpotの豊富な導入事例をもとに、「他社はどんなカスタムプロパティをどう活用しているのか」といった現場で役立つ具体例やベストプラクティスの共有ができるのもハブワンの強みです。
営業データの可視化・分析を“使われるもの”に昇華させるには、貴社固有の営業スタイルや意思決定フローへの深い理解が欠かせません。その部分にコミットできるHubOneだからこそ、カスタムプロパティ活用の成功率を高められると確信しています。
HubSpotの機能を最大限に引き出し、「データが現場の武器になる状態」を目指すのであれば、ぜひ一度HubOneにご相談ください。
HubSpot × カスタムプロパティで営業データを資産化
HubSpotのカスタムプロパティを活用することで、営業データの記録と分析がより高度化され、自社にとって本当に意味のあるKPIをもとにした行動が可能になります。特に、標準プロパティでは把握できない「自社特有の切り口」でのデータ収集・分析が、競争優位性を生む鍵となります。
レポートビルダーと組み合わせれば、営業活動の現状、ボトルネック、成果要因を可視化し、再現性ある営業プロセスの構築にもつながるでしょう。ただし、成功のためには「設計の精度」と「運用のルール化」が欠かせません。
カスタムプロパティは作って終わりではなく、“営業の武器”として活用してこそ価値がある——そのためには、単なる機能理解を超えた設計力と活用の戦略が求められます。