HubSpotのカスタムレポート機能とは
HubSpotのカスタムレポート機能は、標準レポートでは得られない独自の視点でデータを多角的に分析できる強力なツールです。これにより、ビジネスの特定のニーズや業務目標に合わせて柔軟にレポートを設計・作成でき、経営層と現場それぞれの意思決定をサポートします。たとえば、案件の進捗管理や営業担当者別の成果比較、複数部門の協業状況、チャネル別パフォーマンスといった多様な切り口から詳細なデータを抽出・可視化可能です。カスタムレポートでは売上や成約率といった主要指標のみならず、活動履歴、フォロー状況、マーケティング連携など幅広い要素を分析軸に設定できるため、現場の課題発見やプロセス改善にも効果を発揮します。
このような高い柔軟性とカスタマイズ性によって、組織は単なる数値管理にとどまらず、目に見えにくいボトルネックの早期発見や、成功要因の見極めといった本質的な業務改善に役立てることができます。最終的には、データに基づく客観的な戦略策定や、チーム全体の目線統一、個人〜組織単位での生産性向上につなげられる基盤を構築することが可能です。
カスタムレポートの作成手順
カスタムレポートを作成するには、まずHubSpotのダッシュボードから「レポート」を選択し、「レポートを作成」をクリックします。続いて、分析対象に応じて「単一オブジェクト」もしくは「カスタムレポートビルダー」を選択し、可視化したいビジネスデータを選びます。たとえば商談データを分析する場合は、「取引」オブジェクトを選択し、金額やステージ、担当者、案件発生日、期間など必要なプロパティや指標を追加します。また、顧客属性やマーケティングアクティビティなど、複数のオブジェクト横断で分析したい場合は、関連オブジェクトを組み合わせてレポートを設計することも可能です。
次に、データの表示形式(グラフ、表、カードなど)や分析軸を選択し、日付や金額、担当者、チャネル別など、実際の業務課題に即した切り口でレポートを構築します。さらに、フィルター条件を設定することで、特定の期間やフェーズ、活動状況、担当部門など、抽出したいデータを細かく絞り込みます。この際、運用ルールや経営指標に合わせて動的なフィルターを設計しておくことで、誰でも再利用しやすいレポートとなり、チーム全体のデータ活用レベル向上につながります。
レポートの設計が完了したら、わかりやすい名称を付けて保存します。その後、お好みのダッシュボードに追加することで、複数のレポートを一括表示したり、定点観測用のビューを作成したりすることができます。必要に応じてダッシュボードで公開範囲や権限設定を行えば、関係者全員でリアルタイムに最新データを共有し、KPI進捗や問題点の把握、アクションの優先順位付けをスムーズに行えます。この一連の手順を通じて、HubSpotカスタムレポートは、ビジネス現場の目的や業務プロセスに適合した多角的なデータ分析と可視化を実現します。
条件付き書式設定の活用
この機能を活用することで、レポート内の特定の数値に対して自動的に書式を適用し、重要なデータや異常値を視覚的に強調できます。たとえば、取引金額が高い案件を赤色で表示したり、リードスコアが一定以上の顧客を緑色で強調するといった設定により、一見では気づきにくい注目すべきデータを直感的に認識できるようになります。これにより、数値の見落としや対応漏れを防止し、業務の優先順位付けや現場の意思決定がよりスピーディかつ的確に進められます。
設定手順はシンプルで、レポート作成画面の「チャート設定」から条件付き書式を適用したい列を選び、該当条件やカラーパレット、フォント装飾などを柔軟にカスタマイズできます。たとえば、「売上金額が100万円以上なら強調表示」「ステータスが失注なら淡色表示」というように細かなルールも簡単に指定可能です。
このように、条件付き書式設定を組み込んだレポートを作成することで、単なる数値一覧では見えにくかったデータの傾向や異常値、注目ポイントを一目で把握できる可視化を実現します。メンバー間で情報の認識を揃えやすくなり、KPI管理や現場オペレーションの最適化にもつながります。
ダッシュボードでのレポート管理
作成したカスタムレポートは、HubSpotのダッシュボード機能を活用して一元管理できます。ダッシュボード上では、複数のレポートをパネル形式で配置し、全社・部門・個人といった階層ごとに重要指標を一括でモニタリングすることが可能です。リアルタイムでのデータ連携により、営業チーム全体の達成率や、担当者ごとの進捗、KPI・KGIの推移を即座に把握でき、意思決定や次のアクションのスピードアップに直結します。たとえば、日次での売上進捗や案件獲得数、リード創出の状況、キャンペーン施策別の成果など、目的別に整理したダッシュボードを複数設計し、経営層と現場それぞれのニーズに合わせて閲覧・共有範囲を柔軟に管理できます。
具体的な作成手順としては、HubSpotメニューから「ダッシュボード」を選択し、「新規ダッシュボード」をクリックします。その際、用途や部門名など分かりやすい名称を設定し、閲覧・編集権限を事前に細かく設計することで、情報セキュリティと運用効率を両立できます。ダッシュボードが作成できたら、先ほど保存したカスタムレポートを「追加」ボタンから順次組み込みます。さらに、ドラッグ&ドロップで表示順やサイズを調整し、関係者ごとに最適なレイアウトを設計することも可能です。また、メールによる自動配信やスケジュール共有機能を活用すれば、定例会議用のレポート配信や経営レベルでの報告にもスムーズに対応できます。
このように、HubSpotのダッシュボード活用によって、必要なデータを一元的かつ分かりやすく整理し、組織全体の状況把握や課題発見、迅速な意思決定を強力にサポートする環境を構築できます。
カスタムレポート活用のメリットと注意点
カスタムレポートを活用することで、営業データの詳細な分析が可能となり、組織の意思決定や営業活動の高度化に直結するさまざまなメリットが得られます。まず、定量的なデータに基づく意思決定が促進され、営業戦略や施策の精度が大幅に向上します。たとえば、案件ごとの商談ステータス推移やリード獲得から成約までの各フェーズ別転換率など、複合的なデータ分析を通じて、現状の営業プロセスに潜むボトルネックや改善余地を可視化できます。これにより、現場では直感や経験則に頼ることなく、根拠あるアクションプランを立案・実践できる体制が整います。
次に、リアルタイムでのデータ監視を実現できるため、進捗遅延や数値的な異常を早期に発見し、必要な対応を迅速に講じることが可能です。たとえば、目標未達の兆候や急な失注増加などもタイムリーにキャッチアップできるため、チームマネジメントや施策修正の機動力が向上します。
さらに、部門・チーム・経営層といった階層ごとにデータを共有・可視化することで、部門横断での目標共有と協力体制が強化されます。共有されたダッシュボードを活用し、KPI進捗や優先課題をリアルタイムで全員が把握できることは、組織全体の自律性を高めるうえでも有効です。
一方で留意すべき点として、レポートの設計段階で指標やフィルター条件を適切に設定しないと、意図しないデータ解釈や判断ミスにつながるリスクがあります。とくに設定した集計条件やデータ範囲がレポートの目的とズレる場合、意思決定に誤差が生じる恐れもあります。また、条件付き書式設定を多用しすぎると、かえって視認性や情報の優先度がわかりにくくなるケースもあるため、本当に重要な指標やアラートに絞って書式を活用することが推奨されます。
これらのポイントを十分に踏まえながらカスタムレポート機能を戦略的に活用することで、営業現場のプロセス最適化はもちろん、部門連携や事業成長を力強く支える“データドリブン経営”の実現が可能となります。
HubOneだからこそ成功に近づける
HubSpotのカスタムレポート機能は非常に優れたツールですが、それを真に成果に結びつけるためには、単なるレポート作成スキルだけでなく、経営戦略や現場実務に根差した設計力、そして業界や商習慣への深い理解が不可欠です。ハブワンは2010年代前半より、国内外の多様なCRM、SFA、MA、CMSといったSaaSプロダクトを数多く取り扱い、BtoB企業を中心に数百社におよぶデジタルマーケティング・営業DXプロジェクトを推進してきました。そのなかで蓄積した知見をもとに、業界特有のKPI設計や営業・マーケティングプロセスの見直し、組織横断でのデータ利活用定着まで、単なるツール導入にとどまらず、お客様の意思決定やアクションに直結する「企業固有のデータ設計」と「価値あるレポート構築」を実現します。
加えて、業務要件や成長フェーズに応じたKGI・KPIの再設計や、HubSpotに蓄積された情報のクレンジング・統合、部門ごとに必要なダッシュボード設計などを一気通貫でサポート。初期導入から定着化・運用改善に至る全フェーズでハブワンのスペシャリストが伴走し、HubSpotカスタムレポートの設計支援・アウトプット検証・ノウハウ共有までワンストップで対応可能です。
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