アップセル狙うならHubSpotのダッシュボードを使い倒せ|設計から提案まで

アップセル狙うならHubSpotのダッシュボードを使い倒せ|設計から提案まで

近年、サブスクリプション型や継続利用型のビジネスモデルにおいて、既存顧客からのアップセルは売上成長の大きな柱となっています。特に、安定的な収益基盤を維持しつつ、顧客単価の上昇やサービス価値の最大化を目指す企業においては、既存取引先へのアップセル施策が中長期的な成長戦略の中核を担います。一方で、アップセルの提案はタイミングや内容を誤ると顧客満足度を損ない、解約やネガティブな評判につながるリスクも孕むため、極めて繊細かつ戦略的に設計・実行する必要があります。

こうした課題を解決する上で有効なのが、HubSpotの「プロパティ」と「ダッシュボード」を活用したデータドリブンな可視化の仕組みです。HubSpot上で顧客の利用状況やサイト来訪・メール開封などの行動履歴、契約プラン・更新タイミングなどの属性データを一元管理・分析することで、顧客ごとのニーズ変化やアップセルの適切なタイミングを的確に把握できます。これにより、具体的な根拠に基づくタイムリーなアクションが可能になり、アップセル成功の確度やLTV向上に直結します。

本記事では、HubSpotのプロパティとダッシュボードを基盤としたアップセル機会の可視化法から、実際の施策プランニング、継続的な効果検証・改善プロセスまでを6章立てで体系的に解説します。ビジネス成果に直結する実践的なアプローチを、業種・業態問わずご活用いただける内容でご紹介します。

HubSpotのプロパティとは?

HubSpotの「プロパティ」とは、コンタクト(顧客)、会社、取引などのオブジェクトに紐づく情報項目です。例えば、メールアドレスや会社名、業種などの一般的な情報だけでなく、カスタムプロパティを追加することで、自社や業種ごとに重要なデータまで柔軟に管理できます。たとえば、「現在の契約プラン」「契約開始日」「導入サービス数」「顧客の利用部門」「担当者の役職」「過去の契約履歴」など、アップセル判断や解約リスクの予兆把握に活用できる指標も一元的に保持できます。こうした詳細なプロパティ設計によって、「顧客がどのサービスを利用し、どのタイミングでアップセルやクロスセルの機会が訪れるか」「どのような属性の顧客がLTV最大化につながるか」といった分析・施策立案が可能となります。

また、プロパティはテキスト、数値、チェックボックス、ドロップダウン、日付、ユーザー選択など多様な入力形式をサポートしており、現場の営業担当やカスタマーサクセスの業務フローに適した形でデータを蓄積できます。このため、抜け漏れや入力ミスの防止、現場目線での運用定着にもつながります。さらに、プロパティの変更履歴も自動で記録されるため、契約プランのアップグレード履歴やトラブル対応の過程を振り返る際にも有効活用できます。

このように、HubSpotのプロパティは単なるデータ項目ではなく、営業・マーケティング・カスタマーサクセスなど部門横断での情報連携や顧客体験向上を支える基盤です。ビジネス成長の要となる“顧客情報の資産化”を推進する上で、HubOneはプロパティ設計・運用の最適化を通じて、クライアントごとのビジネスモデルや運用体制に即したご提案を行っています。

ダッシュボードの活用でアップセル機会を可視化

プロパティで蓄積した顧客データは、HubSpotの「ダッシュボード」によって、直感的かつ多角的に分析・活用することが可能です。ダッシュボードには複数のレポートを1つの画面に集約し、営業・マーケティング部門双方のKPI管理やターゲット顧客の抽出、パイプライン全体の課題把握など幅広い用途でご利用いただけます。たとえば「契約更新日が60日以内に迫っている顧客」「利用中プランがエントリーまたはスタンダードの顧客層」「既存製品の利用が活発な上位ユーザー」など、事業のフェーズやテーマに合わせた条件でレポートを作成し、それらを一元的にダッシュボードで可視化できます。これにより、アップセルやクロスセルの有望顧客をリアルタイムかつ網羅的に把握でき、即時のアクションにつなげることが可能です。

また、ダッシュボードはユーザーごと・役割ごとに柔軟にカスタマイズでき、組織内での情報共有や意思決定のスピードアップにも貢献します。たとえば経営層には売上全体の進捗や主要KPIのサマリー、マネージャーにはチームごとの成果状況やボトルネック、営業担当者には自身の進捗やアサイン状況など、職階やミッションに応じた最適な可視化を実現します。データに基づいた客観的な状況把握と、即応性の高い営業・マーケティング体制の構築を、HubSpot×ダッシュボードの活用を通じてサポートします。

プロパティとダッシュボードの連携による戦略的アプローチ

プロパティとダッシュボードを連携させることで、アップセル施策をより戦略的かつ実践的に設計できます。例えば、「利用中プランがスタンダード以下かつ契約更新が30日以内の顧客」といった複数条件を組み合わせてセグメントを作成し、そのセグメントをダッシュボード上でリアルタイムに可視化することで、アップセル提案のタイミングや優先順位を明確に設定できます。これにより、確度の高い顧客リストを迅速に抽出し、営業活動の効率向上が期待できます。

さらに、これまでの提案履歴、Eメールの開封率、Webサイト上でのアクション(例:上位プランの詳細ページ閲覧)など多角的なデータを組み合わせて分析対象とすることで、顧客ごとの関心度や検討フェーズの把握精度が大幅に向上します。こうした分析結果は、担当者へのアラートやリマインダーとして自動連携でき、営業現場でのアクションへスムーズに繋げられる点も大きなメリットです。

このように、HubSpotの持つ拡張性と連携性を活用することで、プロパティやダッシュボードは単なる情報管理やKPI追跡ツールにとどまらず、「成果につながる戦略立案と実行」を一気通貫で支える仕組みとなります。HubOneの知見とノウハウに基づき、クライアント固有の課題やビジネスモデルに則した最適なデータ設計と運用体制を構築することで、営業・マーケティング双方のアップセル実現力を最大化します。

アップセル施策の実行と効果測定

アップセル機会を可視化できたら、次に重要なのは、それらに基づいた具体的なアクションを迅速かつ効率的に実行することです。たとえば、契約更新間近の顧客セグメントには、上位プランのメリットや追加サービスの価値を訴求するパーソナライズドメールを自動配信し、適切なタイミングで営業担当によるフォローアップコールや面談のタスクを自動で割り当てる、といった施策をHubSpotのワークフロー機能を活用して一元管理・自動化できます。これにより、アプローチ漏れ・属人化を防ぎ、全顧客に対して抜け漏れなく提案活動を展開できます。

さらに、こうした施策の進捗や成果は、全てダッシュボード上でリアルタイムに可視化できます。アップセル提案メールの開封率やクリック率だけでなく、返信率や実際の商談化率、最終的な成約率、そして各プロセスでのボトルネックなども時系列で分析できるため、施策ごと・担当者ごとの効果を定量的に比較・評価することが可能です。また、これらのデータにもとづいて、改善が必要なポイントを特定し、ABテストなどを組み合わせて施策を高速にPDCAサイクルで回すことができます。

このような体系的な施策実行〜評価〜改善のサイクルをワンストップで実現できるのがHubSpotの強みであり、施策の打ち手が属人的・場当たり的になりがちな中小企業の現場でも、標準化・効率化されたアップセルプロセスへ昇華することができます。HubOneは、こうした自動化・可視化の仕組みづくりをサポートし、クライアントの事業目標に合わせて持続的な成果創出を実現します。

継続的な改善と組織全体での活用

アップセル施策の成功を継続するためには、ダッシュボードやプロパティの構成を固定化するのではなく、事業や市場の変化を敏感に捉えながら、定期的な見直し・アップデートを行う運用体制が不可欠です。たとえば、環境変化に応じて新たな判断軸となるプロパティを追加したり、既存レポートやセグメント抽出条件の再構成を図ることで、常にビジネスに即した的確な顧客分析やアプローチが可能となります。これによりアップセル施策の鮮度を保ち、現場の課題や経営目標への迅速な対応が実現します。

また、顧客データの活用は営業部門だけのものではなく、マーケティング、カスタマーサクセスなど複数部門が連携することにより、より大きな成果を生み出します。HubSpotでは、部門ごとに最適なダッシュボードやKPIレポートを設計できるのみならず、共有すべき指標を部門横断で可視化する体制も構築できます。これにより部門ごとに必要なデータでスピーディな意思決定を行いつつ、全社視点でのアップセル戦略の一体運用や成果の最大化が可能です。さらに、各部門からの現場フィードバックや実績データが蓄積されることで、PDCAサイクルを迅速に回し、顧客満足度の向上と収益拡大を両立したアップセル体制の継続的な進化を実現します。

HubOneだからこそ実現できる、アップセル機会の最大化

HubSpotのプロパティとダッシュボードを活用すれば、アップセル機会の可視化は誰でも実現可能です。しかし、それを「成果」に結びつけるには、ツールの表面的な操作を超えた構造的な設計力と、継続的な支援体制が不可欠です。HubOneは2010年代より、CRM・SFA・MA・CMSなど多種多様なSaaSプロダクトを取り扱い、業種・規模を問わず数百社以上へのご支援実績を有しています。その蓄積された知見・ノウハウをもとに、HubSpot導入企業ごとのビジネスモデルや運用体制、成長フェーズに合わせて最適なプロパティ設計やダッシュボード構築、さらには部門を横断した活用推進まで一貫してご支援します。

HubOneが提供するのは単なる操作説明やマニュアル作成に留まりません。例えば、アップセルやクロスセルの機会を“見える化”するだけでなく、その後のアクションにつなげるために、貴社の現場ニーズに基づいたKPI設計、ワークフロー自動化、担当者ごとの目標設定や実績管理まで含めて体系化することで、アップセル施策の実行力と再現性を高めます。また、分析・評価段階では成果指標だけでなくプロセスデータにも着目し、取りこぼしやボトルネックの早期発見と改善も支援。さらに、定期的なダッシュボードやプロパティの見直し・アップデート、および部門横断でのフィードバックサイクルを導入し、変化の激しい市場環境下でもアップセル体制が常に最適化されるよう伴走します。

このように、HubOneは業務オペレーションへの深い理解と、データドリブンな戦略設計力を兼ね備えたパートナーとして、企業の持続的な成長と収益最大化に本質的に貢献します。アップセル機会の「可視化」から「行動」への橋渡し、そして「結果」へとつなげる総合的な支援により、お客様の事業価値向上を力強くご支援いたします。

HubSpotの活用ならHubOne

ABOUT HubOne

HubSpotの活用なら、実績豊富なHubOneにお任せください。導入を検討中の方から、すでに運用を始めている方まで、それぞれの状況に合わせて最適な支援をご提供します。ツールを導入するだけで終わらせない、本質的な成果につながる活用をサポートします。

  • 経験豊富な専門チーム

    PROFESSIONAL

    HubSpot認定資格保有数 日本No.1の専門家集団が、貴社の課題を丁寧にヒアリングし、最適なプランニングと運用支援をご提供します。

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    CUSTOMIZATION

    HubSpotの標準機能だけでは対応しきれない業務や業種特有の要件にも柔軟に対応可能です。外部ツール連携やワークフローの設計、ダッシュボードのカスタマイズなど、貴社の運用にフィットする最適な設定と構築を一緒に行います。

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    SUPPORT

    HubSpotの導入後も継続的にご支援し、目標達成に向けた改善提案や運用フォローを行います。単発で終わる支援ではなく、定例ミーティングやレポート分析、施策立案などを通じて、ツールの価値を最大化する伴走支援を実施しています。

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小向雄大
執筆者:小向雄大
早稲田大学卒業後、新卒でITベンチャー企業に入社。社長直下の経営企画部門の立ち上げを担い、ゼネラリストとして業務に携わる。その後、大手不動産ベンチャー企業の経営企画、博報堂DY傘下エージェンシーで自社マーケティングおよびクライアントへのコンサルテーション業務に従事。ハブワンにRevOpsとしてジョイン。 HubSpot歴7年目。

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