HubSpotのプロパティとは?
HubSpotの「プロパティ」とは、コンタクト(顧客)、会社、取引などのオブジェクトに紐づく情報項目です。例えば、メールアドレスや会社名、業種などが代表的ですが、カスタムプロパティを追加することで、業界特化の情報やアップセルの判断材料となる指標も管理可能になります。「現在の契約プラン」「契約開始日」「導入サービス数」などのプロパティを用意することで、顧客がどのサービスを利用し、いつアップセルのタイミングが来るかを可視化できます。
また、数値やチェックボックス、ドロップダウンなど入力形式も柔軟に設定できるため、営業やCSの運用にフィットしたデータ構造を構築できるのが大きな魅力です。
ダッシュボードの活用でアップセル機会を可視化
プロパティで蓄積した顧客データは、HubSpotの「ダッシュボード」で視覚的に分析・活用できます。ダッシュボードでは複数のレポートを一画面にまとめて表示でき、営業やマーケティングのKPI管理、ターゲット抽出に活用できます。
たとえば「契約更新日が60日以内に迫っている顧客」「現在利用中のプランが最も低い層」「既存製品の利用数が多いユーザー」といった条件を使ったレポートを作成し、それらをダッシュボードで一覧化することで、アップセル対象となるセグメントをリアルタイムで把握できます。さらに、ユーザーごとにダッシュボードをカスタマイズすることも可能で、マネージャー用、営業個人用など、役割ごとに最適な情報可視化が可能です。
プロパティとダッシュボードの連携による戦略的アプローチ
プロパティとダッシュボードを連携させることで、アップセルの施策をより戦略的に設計することができます。例えば「利用中プランがスタンダード以下かつ契約更新が30日以内の顧客」など、複数条件を組み合わせたセグメントを作成し、それをダッシュボードで可視化することで、アップセルの確度が高い顧客をリスト化できます。
加えて、これまでの提案履歴やEメール開封率、サイト上の行動(例:上位プランの詳細ページ閲覧)なども分析対象に加えることで、顧客の関心度を見極める精度も向上します。このように、HubSpotの各機能を組み合わせることで、単なる管理ツールではなく、営業の戦略立案に直結する「売れる仕組み」を構築することができます。
アップセル施策の実行と効果測定
アップセル機会を可視化できたら、次はそれに基づいた具体的な施策の実行です。たとえば、契約更新前の顧客に対しては、更新提案と併せて上位プランの価値を訴求したメールを自動配信したり、営業からのフォローコールをタスク化するなど、HubSpotのワークフローを使ってアクションを自動化することが可能です。
さらに、これらの施策の効果はすべてダッシュボードで追跡できます。アップセル提案メールの開封率、クリック率、商談化率、成約率などを時系列で可視化することで、何が効果的で、どこに改善の余地があるのかを定量的に評価できます。PDCAを回しながらアップセル施策を継続的に改善していく基盤として、HubSpotは非常に優れた環境を提供してくれます。
継続的な改善と組織全体での活用
アップセル施策の成功を継続するには、ダッシュボードやプロパティの構成も固定化せず、定期的に見直し・改善を行う必要があります。例えば、市場環境や自社のプロダクト構成が変化すれば、新たな判断軸となるプロパティの追加や既存レポートの再構成が必要になります。
また、データ活用は営業部門だけでなく、マーケティング部門やカスタマーサクセス部門とも連携すべきです。HubSpotでは部門ごとにダッシュボードを分けたり、共有レポートを設定できるため、情報の一元化と分業体制の両立が可能です。部門横断で顧客の状況を把握し、全社的に統一されたアップセル戦略を運用することで、売上の最大化と顧客満足の両立が見込めます。
HubOneだからこそ実現できる、アップセル機会の最大化
HubSpotのプロパティとダッシュボードを活用すれば、アップセル機会の可視化は誰でも実現可能です。しかし、それを「成果」に結びつけるには、ツールの表面的な操作を超えた構造的な設計力と継続支援が不可欠です。HubOneは2010年代からCRM・SFA・MA・CMSなど多様なSaaSプロダクトを扱い、数百社にわたる実績を積んできました。
HubSpotを導入した企業ごとに、最適なプロパティ設計、ダッシュボード構築、部門横断での活用支援を提供できるのは、単なる操作説明にとどまらない“業務理解”があるからです。アップセル機会を“見える化”するだけでなく、“行動”と“結果”へと導くためのパートナーとして、HubOneは企業の成長に本質的に貢献します。